今日

文章は全て人に読まれるために書くものである

10月29日

今日は弟のバスケの試合だ。無関係のわたしも朝7:00くらいに起こされた。

「ここで勝たなかったら、今までお弁当とか作ってきたことが全部無駄になるような気がするの」と母。

まだ高校2年生なのでこの試合が最後ではない。ただ、この試合に負けると2年生は今年が試合がないらしい。だからそんな終わりのようなことを言っているというわけだ。

思えばわたしの「結果が果たされないと、それまでの過程を全て無駄に感じる」性格はきっと母譲りなんだろう。

両親を見送ったあと、わたしも会社に行った。現場チーフが行った後のロケの後始末を頼まれていたのだ。しかし彼がロケから帰ってくるのは20:00、会社に着いたのは14:00だった。めちゃくちゃ暇を持て余している。

木曜日(28日)にあったイベントの書き起こしをする。イベント中に自分のスマホで録音したものを書き起こしているのでときおり自分や、キャスティングのおじさんの声が入る。お弁当で怒られたことを思い出す。キャスティングのおじさん怖かったな。

 

どん兵衛グリーンカレー味があったので、物珍しさから食べる。最高だった。わたしはグリーンカレーに目がないのだが、こんな素晴らしい商品があるとは知らなかった。今日の収穫である。

 

16:00。わたしの隣の席で物音がしたので見ると、佐々木君がやってきたところだった。佐々木君というのはわたしの同期で(同期といっても厳密には会社が異なる)NHKの某人気番組を担当している子だ。わたしとは担当番組も部署も異なるが、いろいろな偶然が重なって席が隣なのである。

彼もよく人に怒られていた。彼の職場は女性が多く、彼の逃げ場がほとんどない。そして女性たちは往々にして誰かに何か言いたがるのだ。

「佐々木君ってさ、ほんと何考えてるのかわかんなくない?」という声を彼がいない間に席で何度も聞いた。「お前おかしいよ」と常々言われている身としてはかなり親近感の湧く相手である。

「お疲れ様です」

「ああ、加藤さん、お疲れ様です。昨日ロケだったんですよ」

「それは大変ですね、今日もロケだったんですか?」

「今日は違うんです。明日の準備で来たんです。よかったら食べてください。」

佐々木君がそこらへんに散らばっていた蒲焼き三太郎を指差す。わたしは曖昧に笑いごまかす。

 

しばらくはイベントの書き起こしを進める。たまにTwitterを覗く。最近askをやる人が増えたなと思う。昔流行ってたけど、また流行ってるのだろうか。ふと、質問してみたくなる。

え、askって質問するのも登録必要なのかよ。仕方なく登録。まんまと向こうの策略にハマった。こうなったらどんどんのってやろう。プロフィール画像も設定した。「何でも質問してください」

 

18:00。チーフから電話が来る。「帰りが22:00以降になりそうだから、会社にいてくれてると思うけど帰っていいよ。」

外はかなり土砂降りである。

電話を切った後、またかかって来た。今度は母からだった。

「あんたまだ会社終わんないの?」

「いや、もう帰るよ」

「じゃあ新宿来て」

「はい」

突如地名を伝えられる場合はだいたい外食である。

 

丸ノ内線に乗り、新宿に着く。外食する店は決まっているので歩き出す。父から電話。「例の店の前で待つ」

 

わたしが店に行くと彼らはすでに席についていた。

食事をする。どうやら弟は負けたらしい。敗因をチームメイトの一人のせいにしていたが、あとで母が言うのには「弟が同じ手を何回も使ったために相手に見抜かれたことも敗因」とのことだった。ふーん、彼は頭が弱いから仕方ないじゃないか。

 

家族は車で来ていたので首尾よく助手席を陣取ることに成功した。寝ようと思ったがNスペの「血管サージ」が気になり観入ってしまう。

 

家に帰る。先日購入したスカートの新しいアルバムを聴く。「視界良好」と「ランプトン」が好きだ。スカートの曲はいい曲ばかりだ。

 

スマホを開く。askの質問が回答されていることを知る。おべっかを使うことと社交辞令を言うことはイコールなんだろうか、とふと考える。

 

眠くなって来た。通話をする。電波が悪くてすぐに切れる。めぐリズムを目に押し当てて寝る。今日が終わる。